並列Fortranシンポジウム アンケート結果
2015年8月18日(火)に開催された並列Fortranに関するシンポジウムで行ったアンケートの結果をご報告します。
今回のシンポジウムの参加者は88名でした。うち、58名の方からアンケートの回答をいただきました。
※ 「複数回答可」以外の項目でも複数回答された方、または回答がチェックがない場合もあったため、合計数が58にならない項目もあります。
1. 御自身の研究分野をお書きください.
プラズマ物理・核融合 … 8名
数値流体 … 6名
地球物理(気象、海洋等) … 6名
素粒子・原子核 … 3名
宇宙物理 … 2名
その他応用 … 9名
計算機科学関連 … 9名
言語・コンパイラ・ライブラリ開発 … 7名
計算機運用 … 4名
2. 御自身はFortranユーザとして
3. 御自身のFortranスキル(複数回答可)
4. Fortranのユーザは減っていると思いますか?
5. Fortranの機能について現状に満足していますか?
<(b), (c) の不足機能>
I/O
テキスト処理、融通性、可視化迄の一環作業、ブルーとして他のプログラムのコントロール。乗り換え言語:Pyhon, Silab, Matlab
parameterの右辺に組み込み関数が使えるとよい
コンパイラが2003, 2008に未対応な場合が多い
サブルーチン内のサブルーチンがほしい
ファイルを番号でなく文字列(ファイル名)でOpenできるようにしてほしい
GVIやExcelの読み書きライブラリ。乗り換え言語:C, Python
型推定、REPL
言語使用としては満足しているが、コンパイラの性能向上に大きく期待する
高速化
低水準なハードウェア制御、オブジェクト指向関連機能の高性能化、unicode対応、テンプレート(メタプログラミング)、moduleの循環参照
分散メモリ並列
数学関数の充実(複素 long doubleを含めた)。乗り換え言語:C99, C++11
逆に機能追加しすぎ
6. Fortran2008に導入されたCoarrayを知っていましたか?
7. プログラムの分散メモリ並列化手段としてMPIに満足していますか?
8. Coarrayを含むFortranについての講習会があれば参加したいですか?
9. XcalableMPについての講習会があれば参加したいですか?
10. 本日のようなFortranのユーザとベンダが意見交換できるシンポジウムがあれば参加したいですか?
11. 本日のシンポジウムについて御意見があれば,御自由にお書きください
内容が濃いシンポジウムでした。ありがとうございます。アンチ"FORTRAN"の人の発表があると、もっと良かった。"FORTRAN村"の意見がたくさん出てきた、という感じもしました。
Fortranが絶滅危惧種なら、保護活動が起こるので、しばらくは大丈夫そう。
Fortranに関するまとまった話が聞けて有意義でした。
Fortranのユーザ会は聞いたことがなかったので、開催され話を聞けたのはとてもよかった。
Fortranの将来について希望を持った。
Fortranの歴史から、未来について知れたのでよかったです。ただ、研究以外で用いないからか、一般の知名度が低すぎるように思う。
Fortranばかり見ていては方向性は見えてこない。PGAS言語群やGPGPU言語拡張、C++(+フレームワーク)、インタプリタ言語などの講演も入れたほうがよい。
FORTRANは40年前から絶滅危惧種だったのではないでしょうか。Cはなかったが、科学技術計算でも「bit」では、Lispが全盛でしたし、今の方がユーザの絶対人数は多いかもしれません。教育環境は今の方が悪いかもしれませんが。
Fortranは絶滅危惧種ではないでしょう。プログラムが書かねばならぬ方が増え、それが科学技術計算でなかっただけでしょう。
Fortranユーザの方々の声が聞けて、興味深かったと思います。
Fortranを軸に多くのベンダーの事例を聞けたのがおもしろかった。
gfortranの話題も聞きたかった。
XMPなど新しい情報が得られて有意義であった。
いろいろお話を聞けて非常に参考になった。
このアンケートの結果を参加者にフィードバックしてほしい
このシンポジウムで出た意見は、どこかに影響を与えるのでしょうか。良い効果があると良いなと思います。
回顧録のようで、今後どうするかの話が弱かったように思います。フリーディスカッションが重要なのに、個別の話題に時間を取りすぎです。COBOLのような滅び行く言語を使っていた技術者を呼んで、存続のために何ができたか、そこからFortranはどうするかを考えた方がよかったのでは?
関係する分野の学会誌に今回のシンポの報告記事を載せる。より広範な数値計算関係の研究者に,次回のシンポ開催の案内を回す。
午前中の歴史の話は、何をねらって企画したのか良く分からなかった。できればもっと「技術的」に何を考え、計算機の発展とあわせ、どのような方向性・仕様を求めて展開してきたか、今後はどう考えているのかを聞きたかった。
今後のアクションをどうするか難しいと思いますが、興味深い試みと思います。
多彩な分野の方々が集まり、有意義でした。
大学の先生による講演は教育現場の実情が紹介され興味深いです。
本当のエンドユーザには,若手がいない。おじさんばかり。若手の現場ユーザがいる場(学会等)で、もっと主張すべき。
面白かったです。
12. Fortran規格に対して要望があれば,御自由にお書きください
「予約語がない」等の本質的でない部分をいい加減切り捨ててほしい。
FFTでequivalenceを使ったreal-complexの割り付けを使っているので、廃止後に代替機能があれば欲しい。
Fortranのメリットは文法が簡潔であり、実行速度が速いこと。これを生かした、シンプルな仕様というのもあって良いと思います。
あまり最新の言語トレンドを追う必要はないと思っています。
オブジェクト指向は必要.allocatableは、私的には不要。
ダイナミックにしか決まらない仕様は、大枠の部分なら良いのですが、核の部分に使わせる仕様は、性能求めるため、良くない。
ファイル読書時に番号だけでなくファイル名(文字列)で直接アクセスできるようにしてほしい。
モダンなスタイルを取入れても、性能がおちないように。
関数型言語があたりまえで、どこまでimpureにするか考えてください。tripletも分散に向かないので使いにくくしてください。
規格が他の言語と比較して中途半端なので、もっと使いやすくしてもらいたい。単純な継承にもselect type が必要だったり、循環参照ができないので、既存の知見が使いにくい等。
型推定
高速な科学技術計算に最適な言語でありつづけてほしい。ユーザの立場では、あまりコードのチューニングに時間をかけたくない。並列化についてもそうである。見通しの良いコードを書いたら、あまり努力せずに効率よく計算できるのが理想的です(贅沢ですが)。スパコンがより強力になり、やりたい計算が多くあるのに、コード開発に多くの時間が取られるのを改善したいところです(項目13とも関係しますが)。
性能に特化したサブセットを考える必要があると思います。
大規模な圧縮したデータに対して便利なアクセス機能が欲しい。デコードアクセスとかランダムアクセス。
13. コンパイラのベンダに対して要望があれば,御自由にお書きください
多段になってしまったH/W並列機構を充分に使うコードを出力する能力を持って欲しい。
C++ 死ぬほど頑張ってください。
SciPy(Python)やGSL(C)を見ると、少ない引数で科学技術計算ができるようになっている。Fortran2003以降のオブジェクト指向を活用して、同様なライブラリを作ってほしい。
いい規格を作っても、互換性、汎用性がなく、携帯と同じようにFortranもガラパゴス化するのではないか? HPFは、既にそうなった。ifortが有償化したため、辞めたユーザがいる。
セッションでもあったように、需要にみあったコンパイラにしてほしいです。
プリフェッチをプログラミングしたい。
ベンダ間の可搬性、互換性の確保。規格の速やかな実装。
安定したコンパイラーを提供し続けてください。
最新の規格に基づいて現代的な書き方をすると性能が悪くなるのはよくないので改善してほしい。
実行時エラーの原因特定を容易にするメッセージ/デバッグツールの整備。allocatable配列に対する配列演算。DO LOOPのスレッド並列を高効率化するために,指示行に粒度を記述。
新しいスパコンが開発されたときに、数値計算ライブラリの整備、最適化もすみやかに進めて欲しい。
新しい規格があっても,それを使うと最適化されず遅いので、その規格を使えない。もっとコンパイラに頑張って欲しい。
入り口としてフリーのコンパイラ(XcalableMPなど)の開発に、Fortran2008の完全な実装(に)、人と資金で一層協力してください。Clangに対応するLLVMベースのFortranがあるといいです。
良いコンパイラは、新たなユーザをとり込む最大のインセンティブです。これからも、継続的なサポートをお願いします。
14. HPF推進協議会に期待することがあれば,御自由にお書きください
今日のシンポジウムに参加すると、「今後も続けるべき」という感想を持ちますが…。
Fortran2003、2008の新機能を分かりやすく説明した教科書(日本語)の発行。例題をたくさん載せて頂きたい。
Fortranの新しい機能,OpenMP, MPIが大規模シミュレーションで具体的にどう使えるかについての講習会を開催して欲しい。
HPFにとどまらないFortranの情報の公開、コーディング標準の策定。海外書籍の翻訳。
スライドを公開する等、やったことを来場できなかった人のために残してほしい。
やっと使い始めました。意外と便利でした。もう少し使ってみます。
ユーザとベンダが”意見交換”できるシンポジウムを期待しますが、本日午前のようにねらいが良く分からないセッションはあまり参加したくありません。また、"意見交換"をどのようにするのか、本日は良く分かりませんでした。勝手なお願いですが、工夫を希望いたします。
講習会やシンポジウムなど、よろしくお願いします。
今回のようなシンポジウムが定期的にあると良いです。
主要な大学の計算センターなどと連携して、Fortranユーザとコミュニケーションをとり、HPFに限らずFortranの教育、情報共有を進めてはいかがでしょうか。
新規ユーザを開拓して欲しい。
本日の資料は公開されるのでしょうか。Webに案内いただければ。
名称は検討要ではないでしょうか。
歴史から学んで、若手ユーザの拡大に努めて欲しい。
以上